3. 放射能測定器の基本構造
■放射能測定器はどのように出来ているのか?
放射能測定器の仕組みについて考えてみることにしましょう。
(1)遮蔽体
自然環境には、天然に存在する放射性物質から飛んでくる自然放射線がたくさんあります。我々はそのなかで環境に適応し、生きてきたのです。この自然放射線、実は結構強いものです。逆に、我々がこれから測ろうとしている放射線は多くの場合、かなり微弱なものです。
例えるならば、騒々しい物音がする駅構内で、誰かがささやいている小声を聞き分けるようなことをしようとしています。小声を聞き分けるためには、より音の静かな場所に行く必要がありますし、移動が難しい場合には、防音設備のある部屋を使えば外のうるさい音が聞こえなくなり、静かな場所に移動したのと同じ効果が得られるでしょう。
同じようなことを放射線に対して行うには、放射線を遮蔽する仕組みが必要になります。そのために用いられるのが遮蔽体です。放射線を遮蔽するには重くて密度の高いもので壁を作ることが必要で、一般には価格が安くて調達のしやすい鉛を用います。
*遮蔽体の例(筆者自作機)

(2)検出器
放射能を測定するには、放射線を見つけ出す検出器が必要です。ここでは、シンチレータと呼ばれる結晶を使ったシンチレーション式検出器を使います。 一般に放射線を測定するというとガイガーカウンタを想像する人が多いですが、ガイガーカウンタは微弱なγ線を検出するには不向きで、また、仕組み上、放射能の種類を区別することができません。
そこで放射能測定器ではシンチレータを用いたシンチレーション式検出器が用いられます。放射線がシンチレータに飛び込んできたときに発せられる光(シンチレーション光)を光電子増倍管(PMT)によって電気信号に変え、それをコンピュータで分析するのです。
シンチレータの結晶の大きさは、大きいほど放射線を検出する能力(検出効率)が高く、より短時間で精度の高い測定を行うことができますが、大きな結晶やそれに対応した光電子増倍管は高価で、それを活かすための大型の遮蔽体や測定対象(検体)の用意が困難になります。そこで一般には1〜3インチ程度の大きさのものが使われています。ここでは検出器として、2インチサイズのヨウ化ナトリウム(NaI(Tl))結晶と光電子増倍管(PMT)を用いたNaI(Tl)シンチレータを使います。
*2インチNaI(Tl)プローブ

(同じサイズの検出器ですが、ケースの厚みが違うので外側のサイズが異なります)
検出器は大まかに示すと下図のような構造になっています。先端にある半透明の色をしたNaI(Tl)の結晶と光電子増倍管が光学グリスを塗られたうえで接触した状態になっており、光電子増倍管の出力をデバイダという抵抗がたくさん入った部品に接続し、その信号がコネクタを通して外に出力されます。コネクタには一般によく見られるBNCを使ったものと、やや特殊で入手が難しいのですが高電圧に対応したSHVを使ったものがよく見られます。また、コネクタが高圧電源と信号出力で分けられて2つ出ているものもあります(3線式)。
*検出器の構造

(3)マリネリ容器
放射線を検出するのに最も効率の良い方法は、おそらく測定対象を検出器で囲ってしまうことでしょう。しかし、それには大量の検出器を用意する必要があって高コストになりますし、測定器の実装にも多大な困難が伴いそうです。(しかし、そういう仕組みを用いる研究も行われているようです)
そこで逆転の発想をして、検出器を測定対象で囲む方法が一般には使われています。そのためにはマリネリ容器というやや入手の難しい凹型形状の入れ物を使う必要があります。マリネリ容器は、下記の写真のようなものが多く使われています。
*AT1320A(ベラルーシATOMTEX社製)用マリネリ容器

マリネリ容器を検出器の上に被さるように乗せて測定を行います。地球には重力がありますから、上から乗せることで測定対象が下に落ちていく形になり、自然と測定対象と検出器の距離が縮まってくる形になります。実際の測定器は下図のように、マリネリ容器と検出器の外側を遮蔽体で囲むようなデザインになっています。
*マリネリ容器と検出器、遮蔽体

*ATOMTEX AT1320Aの遮蔽体とシンチレータ

*ATOMTEX AT1320Aの上部構造

(4)高圧電源とMCA
検出器を動作させるには、高圧電源と、その出力信号を分析するためのMCA(Multi Channel Analyzer)が必要になります。高圧電源で検出器の光電子増倍管に高い印可電圧(600〜2000V)を供給し、そこで得られるパルス信号をMCAに入力します。
MCAではシンチレータから入力されたパルス信号を波高分析し、それをもとにγ線エネルギースペクトルが作られます。シンチレータから出力されたパルス信号の例を下図に示します。

パルス信号のなかに、異なる高さのパルスが入り乱れていることが分かるでしょうか。一部のパルス(図の右側(1)番)は強すぎて、振り切れています。一方で一定の高さのパルス(図の(2)番)がずっと続いているものもあります。実は、このパルス信号はセシウム137のコイン型基準線源を測定したときに得られたものです。そして、(2)番のパルスはセシウム137が出している放射線なのです。
このパルスの高さに相当するものが、γ線のエネルギー値(keV)になります。大きなものほどエネルギーが強く、先に出た(1)番はエネルギーが強すぎて振り切れており、何が放出したγ線なのかは分かりません。では(3)番のパルスは何でしょうか。これはおそらく天然に存在する放射能であるカリウム40の放出しているパルスです。セシウム137の放出エネルギーのピークは662keVで、カリウム40は1461keVですから、だいたい2倍くらいの高さにあるはずです。このパルス信号の例を見るだけでもある程度想像ができます。
本来、これらの処理は先に述べたMCAがハード的に処理するのですが、専用に作られたMCAは非常に高価です。そこで、その代替品として高圧電源の供給が可能で、併せて検出器の出力信号をパソコンのサウンドユニットで扱えるように信号変換をする機能を備えたBee Research社(オーストラリア・シドニー)製のGSシリーズ(Gamma Spectrometry Scintillator Drivers GS-1100A, GS-1100A2, GS-2000A)を使います。
*Bee Research社 GS-2000A

このGSシリーズによって出力されたアナログ信号をパソコンのマイク入力端子に入力し、それに対応したソフトウェアを動作させることでPCをMCAのように扱う(ソフトウェアMCAと呼ぶ)ことができるようになるのです。
(5)サウンドユニット
サウンドユニットには、PCをソフトウェアMCAとして利用するためにパルス信号をサウンド入力します。つまり、パソコンで録音をするわけです。多くのパソコンはサウンド入力端子を持っているため、それを使うこともできます。
しかし、外付けのUSBサウンドユニットを使う方がノイズが少なく、より高い録音性能を持ち、録音の入力レベルが調整しやすいため、ここでは内蔵音源ユニットを使わずにUSB外付けのサウンドユニットを使います。
安価でありながら高い性能を持つPC用の外付けUSB音源ユニットであるCreative EMU-0204と、平均的なレベルながら安価で安定した動作をするTASCAM US-100を使って以降は説明していきます。
*Creative EMU-0204

(6)分析ソフトウェア
分析ソフトウェアとは、一般にはハードウェアMCAに入力された波高値をもとに、γ線スペクトル分析を行うものである。ここでは、先に述べたソフトウェアMCAを用いるために、PC用のサウンドユニット経由での分析をサポートした、汎用的なPCアプリケーションを用いる。ソフトウェアMCA機能を実装し たアプリケーションには、オーストラリア・シドニー大学の教員によって開発された「PRA (+ inTune)」や、「FitzPeaks」、kabuworkman氏(日本・東京)によって開発された「ベクモニ2011」などがある。分析ソフト ウェアによって、どのような放射能がどの程度含まれているのか計算を行い、推定値を求めることができる。ここでは、Windows用フリーソフトウェア 「ベクモニ2011」を用いる。
<ベクモニ画像例>
(7)基準線源
基準線源とは、測定結果を数値化するための校正に用いる放射性物質である。正しく校正をすることで、世界共通で使われる放射能濃度単位(ここでは「ベクレル」)での値算出を可能にし、他の類似システムで測定された結果との比較が行えるようになる。ここでは、測定容器と同一形状の体積線源とコイン型の点線源を用いる。
*体積線源(基準玄米、セシウム合算で120Bq/kgほどのもの)

*コイン型基準線源(Cs-137, 0.25μCi)

放射能測定器の仕組みについて考えてみることにしましょう。
(1)遮蔽体
自然環境には、天然に存在する放射性物質から飛んでくる自然放射線がたくさんあります。我々はそのなかで環境に適応し、生きてきたのです。この自然放射線、実は結構強いものです。逆に、我々がこれから測ろうとしている放射線は多くの場合、かなり微弱なものです。
例えるならば、騒々しい物音がする駅構内で、誰かがささやいている小声を聞き分けるようなことをしようとしています。小声を聞き分けるためには、より音の静かな場所に行く必要がありますし、移動が難しい場合には、防音設備のある部屋を使えば外のうるさい音が聞こえなくなり、静かな場所に移動したのと同じ効果が得られるでしょう。
同じようなことを放射線に対して行うには、放射線を遮蔽する仕組みが必要になります。そのために用いられるのが遮蔽体です。放射線を遮蔽するには重くて密度の高いもので壁を作ることが必要で、一般には価格が安くて調達のしやすい鉛を用います。
*遮蔽体の例(筆者自作機)

遮蔽体は、外部から入る放射線をブロックし、測定器への影響を低減するための盾になるものです。一般には鉛が用いられますが、重くて隙間の少ない素材で放射線を出さないものであれば何でもかまいません。鉛よりも比重のある金や銀、銅、タングステンなどでも良いのですが、これらはとても高価です。また水は安価に入手できて遮蔽体としての能力も高いのですが、他の素材と同じ遮蔽能力を出すにはより厚みを確保する必要があり、また、液体を扱うことの難しさもあって、測定器の遮蔽体としてはあまり使われません。鉛は価格が安価で、密度が高く、比重が重いので、コンパクトな遮蔽体を作ることができるので、遮蔽体の素材として常用されています。 |
(2)検出器
放射能を測定するには、放射線を見つけ出す検出器が必要です。ここでは、シンチレータと呼ばれる結晶を使ったシンチレーション式検出器を使います。 一般に放射線を測定するというとガイガーカウンタを想像する人が多いですが、ガイガーカウンタは微弱なγ線を検出するには不向きで、また、仕組み上、放射能の種類を区別することができません。
そこで放射能測定器ではシンチレータを用いたシンチレーション式検出器が用いられます。放射線がシンチレータに飛び込んできたときに発せられる光(シンチレーション光)を光電子増倍管(PMT)によって電気信号に変え、それをコンピュータで分析するのです。
シンチレータの結晶の大きさは、大きいほど放射線を検出する能力(検出効率)が高く、より短時間で精度の高い測定を行うことができますが、大きな結晶やそれに対応した光電子増倍管は高価で、それを活かすための大型の遮蔽体や測定対象(検体)の用意が困難になります。そこで一般には1〜3インチ程度の大きさのものが使われています。ここでは検出器として、2インチサイズのヨウ化ナトリウム(NaI(Tl))結晶と光電子増倍管(PMT)を用いたNaI(Tl)シンチレータを使います。
*2インチNaI(Tl)プローブ

(同じサイズの検出器ですが、ケースの厚みが違うので外側のサイズが異なります)
検出器は大まかに示すと下図のような構造になっています。先端にある半透明の色をしたNaI(Tl)の結晶と光電子増倍管が光学グリスを塗られたうえで接触した状態になっており、光電子増倍管の出力をデバイダという抵抗がたくさん入った部品に接続し、その信号がコネクタを通して外に出力されます。コネクタには一般によく見られるBNCを使ったものと、やや特殊で入手が難しいのですが高電圧に対応したSHVを使ったものがよく見られます。また、コネクタが高圧電源と信号出力で分けられて2つ出ているものもあります(3線式)。
*検出器の構造

検出器によって、検体から発せられる放射線を捉えて電気信号に変換することができます。現在、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化セシウム(CsI)、ランタンブロマイド(LaBr3)等の結晶と光電子増倍管(PMT)を組み合わせたものや、ヨウ化セシウムとPD(Photo
Diode)を組み合わせた検出器が実用化されています。 最も高い性能が出るものは高純度ゲルマニウム(HPGe)を用いたゲルマニウム半導体検出器ですが、価格が高価で冷却剤が必要になり維持費が高額になることから、専門機関や大学、ごく一部の測定所でしか扱われていません。このため、安価で大型の結晶が作りやすいヨウ化ナトリウム(NaI)を用いるものが多く使われています。 |
(3)マリネリ容器
放射線を検出するのに最も効率の良い方法は、おそらく測定対象を検出器で囲ってしまうことでしょう。しかし、それには大量の検出器を用意する必要があって高コストになりますし、測定器の実装にも多大な困難が伴いそうです。(しかし、そういう仕組みを用いる研究も行われているようです)
そこで逆転の発想をして、検出器を測定対象で囲む方法が一般には使われています。そのためにはマリネリ容器というやや入手の難しい凹型形状の入れ物を使う必要があります。マリネリ容器は、下記の写真のようなものが多く使われています。
*AT1320A(ベラルーシATOMTEX社製)用マリネリ容器

マリネリ容器を検出器の上に被さるように乗せて測定を行います。地球には重力がありますから、上から乗せることで測定対象が下に落ちていく形になり、自然と測定対象と検出器の距離が縮まってくる形になります。実際の測定器は下図のように、マリネリ容器と検出器の外側を遮蔽体で囲むようなデザインになっています。
*マリネリ容器と検出器、遮蔽体

*ATOMTEX AT1320Aの遮蔽体とシンチレータ

*ATOMTEX AT1320Aの上部構造

マリネリ容器はL.D. Marinelliという学者によって発明されました。これを使うことで、検出器の検出効率を最大限に高めて、測定を行うことができます。 しかし、この形状に合わせて詰め込むことが難しい検体も多くあります。そこで、凹みのない V6容器や、U8容器といった規格標準化された容器を用いることもあります。 また、高汚染が予想される土壌などは、意図的に検出効率が下がるようにマリネリ容器を使わないようにすることもあります。これは、あまりに高濃度の放射能があると検出器が処理し切れなくなることがあるからです。 |
(4)高圧電源とMCA
検出器を動作させるには、高圧電源と、その出力信号を分析するためのMCA(Multi Channel Analyzer)が必要になります。高圧電源で検出器の光電子増倍管に高い印可電圧(600〜2000V)を供給し、そこで得られるパルス信号をMCAに入力します。
MCAではシンチレータから入力されたパルス信号を波高分析し、それをもとにγ線エネルギースペクトルが作られます。シンチレータから出力されたパルス信号の例を下図に示します。

パルス信号のなかに、異なる高さのパルスが入り乱れていることが分かるでしょうか。一部のパルス(図の右側(1)番)は強すぎて、振り切れています。一方で一定の高さのパルス(図の(2)番)がずっと続いているものもあります。実は、このパルス信号はセシウム137のコイン型基準線源を測定したときに得られたものです。そして、(2)番のパルスはセシウム137が出している放射線なのです。
このパルスの高さに相当するものが、γ線のエネルギー値(keV)になります。大きなものほどエネルギーが強く、先に出た(1)番はエネルギーが強すぎて振り切れており、何が放出したγ線なのかは分かりません。では(3)番のパルスは何でしょうか。これはおそらく天然に存在する放射能であるカリウム40の放出しているパルスです。セシウム137の放出エネルギーのピークは662keVで、カリウム40は1461keVですから、だいたい2倍くらいの高さにあるはずです。このパルス信号の例を見るだけでもある程度想像ができます。
本来、これらの処理は先に述べたMCAがハード的に処理するのですが、専用に作られたMCAは非常に高価です。そこで、その代替品として高圧電源の供給が可能で、併せて検出器の出力信号をパソコンのサウンドユニットで扱えるように信号変換をする機能を備えたBee Research社(オーストラリア・シドニー)製のGSシリーズ(Gamma Spectrometry Scintillator Drivers GS-1100A, GS-1100A2, GS-2000A)を使います。
*Bee Research社 GS-2000A

このGSシリーズによって出力されたアナログ信号をパソコンのマイク入力端子に入力し、それに対応したソフトウェアを動作させることでPCをMCAのように扱う(ソフトウェアMCAと呼ぶ)ことができるようになるのです。
Bee Research社(オーストラリア・シドニー)のGSシリーズ(Gamma Spectrometry Scintillator Drivers)には、対応電圧とケーブル形状の違いに合わせたGS-1100A,
GS-1100A2, GS-2000の3種類と、モバイル仕様になったGS-1100Rがある。 [Bee Research] http://www.beejewel.com.au/research/Bee_Research/home.html http://myworld.ebay.com/beejewel?_trksid=p2047675.l2559 |
(5)サウンドユニット
サウンドユニットには、PCをソフトウェアMCAとして利用するためにパルス信号をサウンド入力します。つまり、パソコンで録音をするわけです。多くのパソコンはサウンド入力端子を持っているため、それを使うこともできます。
しかし、外付けのUSBサウンドユニットを使う方がノイズが少なく、より高い録音性能を持ち、録音の入力レベルが調整しやすいため、ここでは内蔵音源ユニットを使わずにUSB外付けのサウンドユニットを使います。
安価でありながら高い性能を持つPC用の外付けUSB音源ユニットであるCreative EMU-0204と、平均的なレベルながら安価で安定した動作をするTASCAM US-100を使って以降は説明していきます。
*Creative EMU-0204

(6)分析ソフトウェア
分析ソフトウェアとは、一般にはハードウェアMCAに入力された波高値をもとに、γ線スペクトル分析を行うものである。ここでは、先に述べたソフトウェアMCAを用いるために、PC用のサウンドユニット経由での分析をサポートした、汎用的なPCアプリケーションを用いる。ソフトウェアMCA機能を実装し たアプリケーションには、オーストラリア・シドニー大学の教員によって開発された「PRA (+ inTune)」や、「FitzPeaks」、kabuworkman氏(日本・東京)によって開発された「ベクモニ2011」などがある。分析ソフト ウェアによって、どのような放射能がどの程度含まれているのか計算を行い、推定値を求めることができる。ここでは、Windows用フリーソフトウェア 「ベクモニ2011」を用いる。
<ベクモニ画像例>
[ベクモニ2011] http://blog.livedoor.jp/kabuworkman-becqmoni/ [Pulse Recorder and Analyser - PRA] http://www.physics.usyd.edu.au/~marek/pra/index.html [Sound Editor - InTune] http://www.physics.usyd.edu.au/~marek/intune/index.html [FitzPeaks NaI] http://www.jimfitz.demon.co.uk/fitzpeak.htm |
(7)基準線源
基準線源とは、測定結果を数値化するための校正に用いる放射性物質である。正しく校正をすることで、世界共通で使われる放射能濃度単位(ここでは「ベクレル」)での値算出を可能にし、他の類似システムで測定された結果との比較が行えるようになる。ここでは、測定容器と同一形状の体積線源とコイン型の点線源を用いる。
*体積線源(基準玄米、セシウム合算で120Bq/kgほどのもの)

*コイン型基準線源(Cs-137, 0.25μCi)

基準線源は、アイソトープ協会ではなく米国から輸入する方が手軽で、安価に調達できる。ただし、Cs-137の場合コイン型の線源で0.25μCi以下のものしか輸入できない。 [Images SI, Inc.] http://www.imagesco.com/geiger/radioactive-sources.html |